超かんたん バイアス調整入門(その7)
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バイアス方式の判定方法
ここまで読み進めれば、固定バイアスと自己バイアスについては、理解できたと思います。
ここで、誰しも思うのが、「自分の真空管アンプは、固定バイアス方式、自己バイアス方式のうち、どちらなのか」ということです。
丁寧にマニュアルに明記されていれば、問題解決しますが、複数オーナーを経由している中古アンプの場合には、マニュアルすら存在しない場合があります。この場合には、メーカー(または正規輸入代理店)に直接問い合わせましょう。メンテナンスができない販売店ですと、バイアス方式自体を知らないところも多いため、あやふやな回答しか得られないことがほとんどだからです。
なお、メサブギーの場合には、前述したように、電圧固定型の固定バイアス方式で、バイアス調整できないタイプです。
また、古いアンプのため、メーカーがすでに消滅している場合には、どうすれば良いのでしょうか。
キーワードは、回路図です。
インターネットを検索して、回路図を入手できれば、少しの努力で問題は解決できます。回路図を見るには、電気記号を理解する必要があります。電気記号は、JIS規格で定義されており、電子・電気に携わるものの共通言語として機能します。
といっても、全然難しくありません。小学校の社会科の授業で地図記号を習いましたね。皆さん、つぎの質問にいくつ答えられますか。
<li>温泉の記号は?</li>
<li>桑畑の記号は?</li>
<li>果樹園の記号は?</li>
<li>竹林の記号は?</li>
電気記号も全く同じです。真空管アンプに使われている各電子・電気部品を記号化しただけです。しかも、真空管アンプで使われている電子・電気部品は、そんなに種類がありませんから、つぎのように、覚える電気記号もわずかで済みます。
<ol><li>電源トランス</li>
<li>整流管</li>
<li>チョークコイル</li>
<li>コンデンサ</li>
<li>固定抵抗</li>
<li>可変抵抗</li>
<li>ダイオード</li>
<li>入力端子</li>
<li>プリ管</li>
<li>パワー管</li>
<li>出力トランス</li>
<li>出力端子</li>
<li>接続線(交差点に黒丸がある場合には、ハンダ等で接続されており、黒丸が無い場合には、接続されていない)</li>
<li>etc.</li>
</ol>
たったこれだけです。言い換えれば、真空管アンプは、部品点数が少なく、回路も簡単であるため、自作愛好者も多数存在するのです。電気記号は、真空管アンプの入門書等に明記されていますので、是非、覚えてください。覚えて損はありません。
電気記号をマスターしたところで、つぎは回路図の読み方をマスターしましょう。回路図といっても、基本的な真空管アンプの構成を知っていれば、それほど難しいものではありません。代表的なプリメインアンプの場合には、つぎの構成となります。
<ol><li>電源部</li>
<li>プリ部</li>
<li>パワー部</li>
</ol>
電子・電気工学では、回路図は、信号・電気の流れに沿って、左から右へ描くようにという無言のお約束があります。ですから、回路図の左側は、入力系となり、右側は出力系となります。およそ、このような観点で回路図を見てみると、左側には、音楽信号が入力される入力端子や、AC100Vが入力される電源トランス等の入力系電気記号が記述されています。
一方、右側には、出力トランスや、スピーカーが接続される出力端子等の出力系電気記号が記述されています。中央部には、左から、プリ部を構成するプリ管(12AX7等)や、パワー部を構成するパワー管(EL34等)の電気記号が記述されています。
固定バイアス方式か自己バイアス方式を判定する手順はつぎの通りです。
<ol><li>回路図において、パワー管を見つける。</li>
<li>パワー管のグリッド端子を見つける。</li>
<li>電源部と上記グリッド端子とが接続されているかを接続線を追いながら確認する。つまり、グリッド端子に電源部からバイアス電圧(マイナス)が供給されているかを確認する。</li>
<li>接続されていなければ、「自己バイアス方式」と判定</li>
<li>接続されていれば、「固定バイアス方式」と判定</li>
<li>さらに、「固定バイアス方式」と判定された場合、グリッド端子と電源部とが「可変抵抗」を介して接続されているとき、「電圧可変型の固定バイアス方式」と判定。この可変抵抗を調整することで、バイアス調整を可能としています。</li>
<li>一方、可変抵抗が無い場合、一定のバイアス電圧がグリッド端子に供給される「電圧固定型の固定バイアス方式」(メサブギータイプ)と判定。</li>
</ol>
バイアス方式を判定できたところで、いざ、バイアス調整をしようとするときには、別の問題が発生します。それは、バイアス調整用の可変抵抗の実装位置がどこなのかということです。回路図上には、確かに、可変抵抗があっても、どこにも見当たらないというケースもあります。
実装位置としては、つぎのうちのいずれかです。
<ol><li>表面パネル(わかりやすく、楽にバイアス調整ができます)</li>
<li>回路基板(込み入っている部品の中から探す必要があり、少々面倒)</li>
</ol>
表面パネルの場合には、メンテナンス性に優れており、オーナー自身で容易にバイアス調整ができるようにという設計者の配慮がうかがえます。
一方、回路基板の場合には、場所的に見にくいため、少々面倒な作業となりますが、上述したパワー管のグリッド端子に可変抵抗器が接続されていますから、慣れれば、すぐに見つけることができます。
(次回に続く)
以上
2009.6.25
Good music !
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