つぶやき

テーマ ・ プライベート♪ カテゴリ ・ なし #14513
ここでこの娘を詰問するのは、あまり得策ではないかもしれないと笹垣は思った。これから何度も質問する機会があるような気がした。
 笹垣は再び室内を眺めた。特に目的があったわけではなかった。ところが冷蔵庫の横のゴミ箱を見た時、思わず目を見開いていた。あふれるほどに入ったゴミの一番上に、『<a href="/blog/blog_error.asp?mode=20">モンクレール ブランソン』のマークが入った包み紙が載っていた。
 笹垣は雪穂を見た。すると彼女と目が合った。彼女はすぐに目をそらし、また本を読む姿勢に戻った。
 彼女も同じものを見ていたのだと笹垣は直感した。
 それから少しして、不意に少女が顔を上げた。本を閉じ、玄関のほうを見た。
 笹垣は耳をすませた。サンダルをひきずって歩くような足音が聞こえた。古賀も気づいたらしく、小さく口を開いた。
 足音はさらに近づき、この部屋の前で止まった。かちゃかちゃと金属音がする。鍵を取り出しているらしい。
 雪穂がドアのところまで出ていった。「鍵、開いてるよ」
「なんで鍵をかけとけへんの。危ないやないの」そういう声と共にドアが開いた。水色のブラウスを着た女が入ってきた。年齢は三十代半ばか。髪を後ろで束ねていた。
 西本文代はすぐに笹垣たちに気づいた。虚をつかれたような顔をし、娘と見知らぬ男たちを交互に見た。
「警察の人やて」少女がいった。
「警察の……」文代の顔に怯《おび》えの色が浮かんだ。
「大阪府警の笹垣といいます。こっちは古賀です」笹垣は立ち上がって挨拶した。古賀もそれに倣《なら》った。

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