君の思い出

テーマ ・ プライベート♪ カテゴリ ・ なし #20005
突然ころがるように走ってきた子犬に

僕と公園を黙って歩いていた君が

フワリとしゃがんだ

首輪の無いノラ犬だが

まだ生まれて間もないような

薄汚れた子犬だ

彼女の周りをいそがしく走り回っていたが

警戒してか一定の距離を保っている

彼女が軽く『いらっしゃい』と手を差し出すと

じゃれつくように様に白くしなやかな手に噛み付いた

一瞬ハッとして近づいた僕を

彼女の左手がさえぎった

右手は子犬の尖った歯でところどころ

赤みを帯びてきたというに

まだ好きなようにさせている

『痛くないのかい』僕の問いに

『こいつ、とーっても寂しいんだよ』

『でも、強がりだからピーピー泣かないで私を噛むんだ』

そう言って小学生みたいにしゃがんでいる彼女の後ろ姿が

いつもよりずっと頼りなくて

今日限りで遠方に転校する僕は・・・・

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