小田急ロマンスカー、39年ぶり「婚礼特急」に 新婦の熱意で実現
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#26558
新宿と箱根を結ぶ小田急電鉄・特急ロマンスカー車内で結婚式が11月9日、成城学園前-小田原間で行われた。
小田急電鉄によると、特急ロマンスカーを使った婚礼は1974年以来39年ぶりという。「らぶらぶうぇでぃんぐ号」と名付けられた臨時特急で新郎新婦は、6両編成の車両に分乗した約270人の招待客から熱い祝福を受け、新生活に向かって出発進行した。文字通り「ロマンス」を運ぶ婚礼特急を乗車ルポした。(金正太郎)
特急ロマンスカーで結婚式を行ったのは東京都内に住む30代のカップル。2人を結んだ趣味の鉄道を使って、世界でひとつだけの挙式をしようと特に新婦が旧知の小田急社員に相談するなどして夢の列車を実現させた。小田急電鉄によると、今回の婚礼特急は同社の試行的な運行のため、一般への商品化は「未定」という。
9日午前10時すぎ、東京都世田谷区の成城学園前駅近くにあるレストランには着飾った約270人の招待客が集結した。大混雑の店内だったが、発車1時間前のタイミングで誘導役の新郎新婦の友人らが大声で呼び掛け、招待客を6班に分けて整列させた。招待客には受付時にロマンスカー特製ネックストラップが配られた。ストラップには名前と号車、座席が記載されていて、切符代わりになっていた。
「駅での乗車時間は2分しかありません。ホームでは写真撮影や新郎新婦と歓談は控えてください。指定の車両ごとに整列して次々と乗車をお願いします。でも、発車間際になったら、とにかくどこからでもいいので乗ることを優先してください。乗り遅れると大変です」。必死の形相で誘導係の女性がマイクを使って呼び掛けた。
270人は1列に並んで駅に向かった。成城学園前駅西口改札前には、着飾った老若男女がまるで修学旅行のようにズラリと並び、何も知らない一般の利用客から視線が次々と浴びせられる。ここでも再度、誘導係から「いいですか、2分しかありませんからっ」と釘を刺された。
出発10分前。新郎新婦が改札前に登場し、招待客らを笑顔で迎えて全員でホームへ。土曜日といえども、首都圏の大量輸送を担う小田急線。駅で長時間、列車を待機させておくわけにはいかない。通常ダイヤの列車を数本やり過ごし、いよいよ婚礼列車が到着した。ホームの電光掲示板には「団体専用」という表示がある。
午後零時3分、1番ホームに滑り込んできたのは「ロマンスカー・MSE(60000形)」。2009年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した都市型のデザインは、スタイリッシュな結婚式にマッチしていた。
まずは新郎新婦が最後尾の6号車に乗車。招待客も整列乗車に協力したおかげで、全員が無事に乗車を完了し、定刻の零時5分に同駅を発車した。
「本日はらぶらぶ うえでぃんぐ号にご乗車ありがとうございます。新郎新婦が車内をごあいさつして回ります」。車掌の車内アナウンスに続いて、最後部の6号車からアコースティックユニット「ワンダーツアーズ」が演奏と歌をスタート。通路を前寄りの車両に向かって進んでいく。重そうなアンプを持ったスタッフが大変そうだ。そして通路を新郎新婦が続き、司会の鉄道アイドル、木村裕子さん(31)がハンドマイクを使って2人の出会いから、ロマンスカー婚に至るまでのエピソードを紹介した。
木村さんは「いろいろあるロマンスカーからMSEを選んだのは、車体の色から。『サムシングブルー』でたくさんの人と、この列車で幸せが共有できるようにと、新婦の願いが込められている」と紹介した。
結婚式で花嫁が身に着けると幸運になれるという4つのアイテムのひとつがロマンスカーの車体になるとは、招待客の中にいた少なからぬ鉄道ファンからは「粋な計らいだ」という声があがった。
取材で乗車した6号車のセレモニーは新郎の「ご乗車ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします」というあいさつで締めとなった。その後も2人は小田原到着までの1時間半をかけて、すべての車両で招待客の一人一人に丁寧なあいさつをして回った。
2人が隣の車両に移った6号車では歓談の時間となった。豪華な弁当やケーキに舌鼓を打ち、いいタイミングでワゴンサービスが回ってきて、フリードリンクを楽しめた。
名前は「婚礼特急」だが、通常の特急の速度で運行すると、2人のあいさつが終わる前に終点の小田原に着いてしまうため、途中駅で時々停車したが、ドアは開かなかった。運行は外部に非公開とされていたが、途中停車駅では熱心な鉄道ファンが待ち構え、撮影する姿もちらほらとあった。1時34分、列車は定刻に小田原駅へ到着。2人は腕を組んで駅コンコースを進み、箱根登山バスの「らぶらぶ うえでぃんぐ号」に乗り換え、記念撮影やパーティーが行われる箱根に向かった。
招待客が約270人という大規模な挙式となったが、シートでくつろぎながら、新郎新婦としっかりとコミュニケーションを取ることができた。何より、新郎新婦をはじめ乗車した全員の記憶にくっきりと残る、最高のウエディングとなった。
小田急電鉄によると、特急ロマンスカーを使った婚礼は1974年以来39年ぶりという。「らぶらぶうぇでぃんぐ号」と名付けられた臨時特急で新郎新婦は、6両編成の車両に分乗した約270人の招待客から熱い祝福を受け、新生活に向かって出発進行した。文字通り「ロマンス」を運ぶ婚礼特急を乗車ルポした。(金正太郎)
特急ロマンスカーで結婚式を行ったのは東京都内に住む30代のカップル。2人を結んだ趣味の鉄道を使って、世界でひとつだけの挙式をしようと特に新婦が旧知の小田急社員に相談するなどして夢の列車を実現させた。小田急電鉄によると、今回の婚礼特急は同社の試行的な運行のため、一般への商品化は「未定」という。
9日午前10時すぎ、東京都世田谷区の成城学園前駅近くにあるレストランには着飾った約270人の招待客が集結した。大混雑の店内だったが、発車1時間前のタイミングで誘導役の新郎新婦の友人らが大声で呼び掛け、招待客を6班に分けて整列させた。招待客には受付時にロマンスカー特製ネックストラップが配られた。ストラップには名前と号車、座席が記載されていて、切符代わりになっていた。
「駅での乗車時間は2分しかありません。ホームでは写真撮影や新郎新婦と歓談は控えてください。指定の車両ごとに整列して次々と乗車をお願いします。でも、発車間際になったら、とにかくどこからでもいいので乗ることを優先してください。乗り遅れると大変です」。必死の形相で誘導係の女性がマイクを使って呼び掛けた。
270人は1列に並んで駅に向かった。成城学園前駅西口改札前には、着飾った老若男女がまるで修学旅行のようにズラリと並び、何も知らない一般の利用客から視線が次々と浴びせられる。ここでも再度、誘導係から「いいですか、2分しかありませんからっ」と釘を刺された。
出発10分前。新郎新婦が改札前に登場し、招待客らを笑顔で迎えて全員でホームへ。土曜日といえども、首都圏の大量輸送を担う小田急線。駅で長時間、列車を待機させておくわけにはいかない。通常ダイヤの列車を数本やり過ごし、いよいよ婚礼列車が到着した。ホームの電光掲示板には「団体専用」という表示がある。
午後零時3分、1番ホームに滑り込んできたのは「ロマンスカー・MSE(60000形)」。2009年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した都市型のデザインは、スタイリッシュな結婚式にマッチしていた。
まずは新郎新婦が最後尾の6号車に乗車。招待客も整列乗車に協力したおかげで、全員が無事に乗車を完了し、定刻の零時5分に同駅を発車した。
「本日はらぶらぶ うえでぃんぐ号にご乗車ありがとうございます。新郎新婦が車内をごあいさつして回ります」。車掌の車内アナウンスに続いて、最後部の6号車からアコースティックユニット「ワンダーツアーズ」が演奏と歌をスタート。通路を前寄りの車両に向かって進んでいく。重そうなアンプを持ったスタッフが大変そうだ。そして通路を新郎新婦が続き、司会の鉄道アイドル、木村裕子さん(31)がハンドマイクを使って2人の出会いから、ロマンスカー婚に至るまでのエピソードを紹介した。
木村さんは「いろいろあるロマンスカーからMSEを選んだのは、車体の色から。『サムシングブルー』でたくさんの人と、この列車で幸せが共有できるようにと、新婦の願いが込められている」と紹介した。
結婚式で花嫁が身に着けると幸運になれるという4つのアイテムのひとつがロマンスカーの車体になるとは、招待客の中にいた少なからぬ鉄道ファンからは「粋な計らいだ」という声があがった。
取材で乗車した6号車のセレモニーは新郎の「ご乗車ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします」というあいさつで締めとなった。その後も2人は小田原到着までの1時間半をかけて、すべての車両で招待客の一人一人に丁寧なあいさつをして回った。
2人が隣の車両に移った6号車では歓談の時間となった。豪華な弁当やケーキに舌鼓を打ち、いいタイミングでワゴンサービスが回ってきて、フリードリンクを楽しめた。
名前は「婚礼特急」だが、通常の特急の速度で運行すると、2人のあいさつが終わる前に終点の小田原に着いてしまうため、途中駅で時々停車したが、ドアは開かなかった。運行は外部に非公開とされていたが、途中停車駅では熱心な鉄道ファンが待ち構え、撮影する姿もちらほらとあった。1時34分、列車は定刻に小田原駅へ到着。2人は腕を組んで駅コンコースを進み、箱根登山バスの「らぶらぶ うえでぃんぐ号」に乗り換え、記念撮影やパーティーが行われる箱根に向かった。
招待客が約270人という大規模な挙式となったが、シートでくつろぎながら、新郎新婦としっかりとコミュニケーションを取ることができた。何より、新郎新婦をはじめ乗車した全員の記憶にくっきりと残る、最高のウエディングとなった。
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