<一石二鳥>

テーマ ・ プライベート♪ カテゴリ ・ い #31291
・A:「君が飲んでいる、そのお酒は遺伝子操作で改良されたキノコを使って作られたんだ。」
 B:「ホントですか?」
 A:「ほら、その皿の上に料理されたキノコが入っている。
   キノコは苦手かね?」
 B:「大好物ですよ。」
 A:「それはよかった。
   麹はデンプンをブドウ糖に変えるだけで、アルコールを作ってはくれない。
   そのキノコはデンプンからアルコールを作ることができるんだ。」
 B:「アルコールを作ってくれて、料理にも使えるなんて、まさに一石二鳥ですね。」
 A:「よくそんな誰も使わなくなったコトバを知ってるね。」
 B:「古典文学に興味がありまして。」
 A:「ところで、そのキノコには毒があって、去年、キノコでアルコールを作り出したヒトが、酒の肴(さかな)に、そのキノコを食べて天国に行ってしまったらしい。」
 B:「肴?」
 A:「お酒を飲みながら食するものを、昔は肴と呼んでたんだよ。魚も食材のひとつ。」
 B:「その毒キノコが、自分の目の前にあるってことは・・・。」
 A:「大丈夫。毒消しを行ってあるから。」
 B:「お酒の方は大丈夫なんですか?」
 A:「それについては、今こうして君に試飲してもらっているんだよ。」
 B:「え!」
 A:「お酒も既に多くのヒトが試飲していて、安全であることが判っている。」
 B:「最初にそれを言ってくださいよ。
   では安心してキノコといっしょにいただきます。」
 A:「どうぞ。」
 B:「(黙々)。」
 A:「味はどう?」
 B:「思ったよりもアッサリしていて美味しいですね。」
 A:「そうですか。」
 B:「どうして僕の顔をじっと見てるんですか?
   顔に何かついてます?」
 A:「いゃ、ひとつだけ問題があってね。」
 B:「問題?」
 A:「お酒を飲みながらキノコを一緒に食べたのは、君が2人目なんだ。」

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