雇用の需給

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「5月28日(ブルームバーグ):アンドレアス・シュピンドラーさんにとって10年前に終了したオーストリアの実習プログラムはとても役に立った。ここで習得した技能のおかげで彼はウィーンの一流レストランの副料理長として雇用され続けている。
シュピンドラーさん(31)は、新鮮なレタスの芯をゴミ箱に投げ捨てている若い実習生の1人が、脇に寄ってサラダの作り方を教わりなさいとの指示を無視したのを見たとき、何かが間違った方向に進んでしまったと感じた。
「実習生と雇用主との間にはかつて礼儀が存在していた」と語るシュピンドラーさん。「実習生は雇用主から知識を与えられたものだが、今は安い労働力にすぎない」という。
オーストリアの実習制度は現在でも国内労働人口の約40%が仕事に就く玄関口の役割を果たすが、同制度にほころびが生じている。学校の代わりに15歳で企業に入り3、4年かけて大工仕事や電気配線、製パンなどの技能を学ぶ同プログラムの活用が若者の間で減少。若年層の人口 自体が2007年以来減り続け、潜在的な実習生の数も減少している。
技能習得を目指すことを選びながらも合格基準達成に苦闘する若者が増えている。実習制度を終了した約5人に1人は3月の認定試験に合格できず、不合格率は42年ぶりの高さだった。企業は若い労働者を訓練するよりも、実習制度を利用せずに経験のある人を使いつつある。」
(ブルームバーグ “http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MNHSF86JIJUT01.html”)

雇用情勢の厳しさはどの国でも同じようだ。わが国でも、特に新卒採用の厳しさから「就職氷河期」と呼ばれたりしたが、現在、欧州に比べれば日本の失業率はかなり低い。それでも、楽観視できる状況でないのは確かだ。
「景気が悪い」、「制度が悪い」、「企業が悪い」、「人材の質の低下が悪い」等、それぞれにさまざまな言い分があろうが、現状を受け止め、どのように改善していくかが重要だ。

大きな部分の、景気対策や制度設計の大切さはもちろんだが、ミクロレベルで個々の企業・求職者の需給を一致させることができるだけでも、現状は大きく改善されうるだろう。まずは今一度、何を提供でき、また何を求めているのかを明確にするという、基本に立ち返って考えてみることが実は近道なのかもしれない。

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