奇妙な動物を飼

テーマ ・ プライベート♪ カテゴリ ・ なし #34293
ヨーロッパには特殊な動物としての「キメラ」伝説がある。
キマイラとも呼ばれるこの動物は、ライオンの頭と山羊の胴体、
そして毒蛇の尻尾を持つ。
ギュスターヴ・モローが描いた「キメラ」像は、
背に翼を持ったケンタウロスであり、その容貌たるや、まさに美青年。
ほとんど裸体を思わせる若い女性が翔び上がるキメラに身体を預けている。
古代ギリシャにその源泉を持つケンタウロスは、
半獣神や牧神とも呼ばれ、上半身が人間で下半身が獣として描かれている。
こういった、いくつかの動物が混ぜ合わさった存在は良くある話。
そんな土壌から生まれたものなのかカフカの『愛玩動物』と題する短編小説がある。
この小説は「私は奇妙な動物を飼っている」というところから始まる。
その奇妙な動物は、半分が仔猫で半分が仔羊。父から相続した遺産のひとつと語る。
飼うつもりがなく飼い始めたが不思議なことに、自分の仕事に行き詰まった時、
ふと見ると、この動物の髭の先から涙がこぼれ落ちていた。
「コイツは人間の心を持っている」そう思うと、この動物が愛おしく思えてくる。

猫といえば「猫の目のように気まぐれ」などの表現がある。
羊といえば「太っている。おとなしい」と形容されるのが一般的。
今の国際情勢は刻々と変化し、ここしばらくは猫と羊の様相があるようだ。
「老いぼれ」とののしったり、「チビのロケットマン」などと揶揄したり。
方やミサイルを飛ばしたり核開発したり。
そんな脅しはダメだとばかり空母を差し向けたり一触即発の感じもあった。
それが急転直下、会談する運びになったようだ。
まさに、猫の目のように気まぐれ。

このカフカの小説、最後のところで、
「この動物は、相手がうまく取り計らってくれることを暗に哀願したりする」
と結ばれている。
これから行われる会談はそんな「哀願」が見えるようでもある。

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