富国強兵の道
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#19002
今夏も67回目の太平洋戦争の終戦日が巡ってきた。
★1941年7月、日本は石油資源確保のためインドシナ(現ベトナム)に軍を進 駐、米国は報復として対日石油禁輸。
1941年11月末、日米国交調整交渉において米国は次の要求をした。
「中国・インドシナから日本軍の撤収・満州国の不支持・日独伊三国同盟の破棄」
日本はこれらの要求を拒否、交渉は決裂した。
★1941年12月8日未明、日本の連合艦隊はハワイ真珠湾のアメリカ太平洋 艦隊を奇襲、開戦した。
しかしこのとき既に中国と4年にわたる戦争を継続中。長期の戦費負担により 国の経済は困窮しつつあったにも拘わらず圧倒的な国力差のある超大国に挑戦した。
それから3年9ヶ月、米英仏各国を相手にに戦い、広島・長崎に原爆を受けて 1945年8月15日無条件降伏した。
★ふりかえって日本は明治維新後「富国強兵」のスローガンを掲げ「徴兵令、地租改正、殖産興業」の各政策によって資本主義を育成して経済を向上させ、これを基礎に軍備を充実、欧米列強と対抗できる国力の整備を図ろうとした。
★明治維新以後日本が参戦した戦争と領土の拡張。
1894年・日清戦争(清国・現中国) 戦勝により台湾を領有
1904年・日露戦争(ロシア帝国) 戦勝によりサハリン島(樺太)南部と千島 列島領有
1910年・韓国日本に併合
1937年・日中戦争(支那・現中国)
1941年・太平洋戦争
★日露戦争と韓国の併合
日本は日露戦争後、韓国の外交権を獲得、その後韓国は国際法上の保護国となり1910年8月日本に併合、以後35年にわり日本の統治下に置かれた。
★満州事変と満州国の設立
1931年9月18日奉天市北方の柳条溝で鉄道爆破事件(日本軍が仕掛けたと言われている)があり、これが満州事変の点火となり日本軍は中国東北部(満州)を占領。翌31年3月日本の傀儡政権「満州国政府」が設立された。
★国際連盟脱退
1932年10月2日国際連盟の会議がジュネーブにおいて開かれ満州事変につて審議がおこなわれた。
翌32年2月24日連盟総会において日中両国代表の演説後、対日勧告案の採択に入り42対1で日本が敗れた。日本側全権は「光栄ある孤立」と声明、席を蹴って退場し国連を脱退した。 さらに1936年日本はロンドン軍縮会議も脱退し、艦艇の無制限建造体制に入り列強と伍する軍備の拡張を進めるとともに完全に国際社会から孤立することとなった。
★戦争とリスク
戦争とは、国と国とのエゴの衝突である。換言すれば覇権争いのための一つの形態である。覇権達成のための具体的手段は武力集団による戦争であるが、それは多くの人命の喪失と膨大な費用の掛かる大消耗行動である。
因みに太平洋戦争において失われた命は、軍人民間人併せて310万人、また喪失した国と民間の総資産は現在の価値でおよそ8兆2200億円(現防衛費の2年分に相当)と言われている。
★「富国強兵」の行方
明治政府は「富国強兵」について日本の将来像をどのように画いていたのか。
「強兵」とは東洋一の軍事国家になることであったのか。そしてこれを引き継いだ次世代の政府政治家は昭和に入り14年にわたる厳しい戦時体制に国民を曝しかつ多くの若者を戦場に送り出し犠牲を強いたが、戦争の結末シナリオをどう見積もっていたのだろうか。
狭い領土と資源のない日本は貿易により経済力を高めもって国力を保持すること、即ち貿易立国である。したがって諸外国との友好を常に保つことが必須の要件である。しかし、国際社会から孤立し戦争の連続による悲劇を生み、国土は廃墟と化した。
その後故郷に帰った人々による懸命な努力により世界有数の経済大国となったが、しかし未だいろいろな国際的問題が残されている。
それは19世紀末から20世紀前半までの間、日本と戦火を交えて敗れた国、また、植民地化された国の人々は国恥(怨念)として忘れていない。
国後と択捉・尖閣諸島・竹島の領有権の問題は具体的現象として「富国強兵」政策の「負」の延長線上にある問題と思える。
★政治家のあり方
日清日露戦時代の政治家について、特に外交交渉をみると欧米列強の支持をしっかりと取り付け開戦している。外交の失敗によって国際社会からの孤立を招き、資源の供給を止められ、かつ厳しい交渉条件を要求された。
そして政党を解散し軍部の意向に従い、かつマスコミを利用して開戦世論を煽り、勝つ見込みのない戦いに突入した。それは何故だつたのか。「窮鼠猫を噛む」の心理に追い込まれたのだろうか。
★八十路がこの悲劇の終末を体験してからから何時しか半世紀以上の歳月が過ぎてしまつた。 しかし、その悲劇と教訓も次世代に十分語り継がれぬまま風化し忘れ去られつつあるように思える。
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